世界せどりにおける仕訳処理

最近、世界せどりなる販売手法も行っているのですが、ふとこの場合の仕訳はどうなるのだろうかと思って考えてみました。
久々の仕訳ネタです。

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世界せどりとは

このブログでも何度か書いたと思いますが、簡単に言うと外国から仕入れたものを外国に向けて販売する手法です。
輸出および輸入の場合はどちらか片方が日本になるわけですが、この世界せどりは日本を介さない販売になります。

仕訳について

さて、この場合の仕訳について考えてみます。
と言っても、よくよく考えるとそんなに難しいものではありません。

仕入の時は輸入と同じような仕訳になって、販売の時は輸出と同じような仕訳になるだけです。

もう少し詳しく考えてみます。

1.【円で出金】仕入れ

外国から商品を買う際には大体は日本のクレジットカードを使って決済すると思うので、この場合で考えます。

例えば、1ドル=105円の時に135ドルのものを仕入れたとします。
つまり仕入価格は105×135=14,175円です。
この場合の仕訳は以下のようになります。

借方貸方
仕入金額14,175未払金14,175

この時点では、当然ながら為替による損益は全く発生しません。
あとここでは仕入価格はレートから計算しましたが、実際にはクレジットカード会社独自のレートを持っていると思うので、カード明細の数字そのままを使うことになります。

2.【ドルで入金】販売

上記の商品が、1ドル=104円の時に180ドルで売れたとします。
PayPal手数料は7.2ドルとします。
つまり、売上は104×180=18,720円、PayPal手数料は104×7.2=748円(円未満切り捨て)です。
この場合の仕分けは以下のとおりです。

借方貸方
外貨預金18,720売上18,720
支払手数料748外貨預金748

その場合はこんな感じでしょうか。

あとPayPal手数料については入金と同時に発生するものなので、僕は売上金額からPayPal手数料をそのまま引くことで為替差損益を発生させないようにしています。
イメージとしては、異なる濃度の食塩水を混ぜる際に、混ぜた後に手数料分を引くならばごちゃごちゃした計算が必要になりますが、手数料分を予め引いておいてから混ぜれば余計な計算も必要なくなるという感じです。

という事で、この時点でのPayPal残高は180-7.2=172.8ドル、外貨預金の簿価は18,720-748=17,972円です。
簿価のレートは17,972÷172.8≒104.00円です。
端数が出ますが、PayPal手数料の円未満を切り捨てたことによる影響です。

3a.【ドルで出金】eBay手数料支払い(為替差損)

復習になりますが、これもついでに書いておきます。

1ドル=102円の時に、13.5ドルのeBay手数料を支払ったとします。
つまり手数料は102×13.5=1,377円です。

あと、ここでは為替差損益が発生します。
帳簿上で13.5ドルは13.5×104.00=1,404円の価値を持つはずなのに、実際には1,377円分にしかなっていないという事で、1,404-1,377=27円分の為替差損が発生します。

この場合の仕訳は以下のとおりです。

借方貸方
支払手数料1,377外貨預金1,377
為替差損27外貨預金27

ちなみに、為替差損の計算式を書くと

支払ったドル×(簿価のレート-支払時のレート)

です。

ちなみにこの場合の為替差損益は実際の損益にはならず、帳簿上の価格を調整するためだけのものです。
PayPalの資金を円預金に移す際の為替差損益は、モロに損益になります。
例えば株式会社では帳簿上の価格が株価を左右することになるので影響がありますが、我々個人事業主にとっては実際に円に転換する際の為替だけが問題です。

一応結果も書いておくと、PayPal残高は172.8-13.5=159.3ドル、外貨預金の簿価は17,972-1,377-27=16,568円です。

3b.【ドルで出金】eBay手数料支払い(為替差益)

これもおまけです。

上記の3a.eBay手数料支払い(為替差損)はなかったものとして、別の日で1ドル=106円の時に、13.5ドルのeBay手数料を支払ったとします。
つまり手数料は106×13.5=1,431円です。

この場合には為替差益が発生します。
帳簿上で13.5ドルは1,404円の価値を持つはずなので、1,431-1,404=27円の為替差益が発生します。

この場合の仕分けは以下のとおりです。

借方貸方
支払手数料1,404外貨預金1,404
外貨預金27為替差益27

為替差益の場合の計算式は

支払ったドル×(支払時のレート-簿価のレート)

になります。

結果は、PayPal残高は172.8-13.5=159.3ドルというのは為替差損の場合と変わらず、外貨預金の簿価は17,972-1,404+27=16,595円になります。

外貨預金から仕入れが出来る場合

今のところまだその方法はないようですが、もしこれが可能になった場合はどうするかというと、上記の3aと3bでeBayに支払っているものをそのまま仕入れで支払ったとして仕訳すればいいだけです。

ドルによる入出金は上に挙げた例が全てです。
計算自体は小学校の算数レベルで難しくはないのですが面倒です。

という事で、今僕が使っている仕訳生成マクロがそのまま使えそうです。
あとは問題なく販売を進められます、と言っても現時点ではまだ1個も売れていないのですが(笑)。

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