損失余命って何?

Yahoo!ニュースにこんな記事がありました。

ウィンナー1本で寿命が25秒縮む!? 新基準「損失余命」って何だ なんと、ひじきの煮物はタバコより危険

これは、先行するさまざまな研究で積み重ねられてきた健康被害との関係から「縮まる寿命」を計算した平均値であり、WHO(世界保健機関)など各国の医療機関・団体でも使用されている。

ということらしいです。
らしいですというか、本当のところを僕は知っているのですが、それは後で紹介します。

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記事で挙げられていた例

損失余命の例が以下のとおりです。

ウインナー1本・・・25秒
ジャンボフランクフルト1本・・・1分14秒
ひじきの煮物小鉢1人前・・・58分
タバコ1本・・・12分

これらのものを摂取すると、それぞれこの時間だけ寿命が縮むとのことです。

どうでしょう?
こんなものを気にしていたら、何も食べるものがなくなってしまうではないか!
WHOもアホになったか?

と思うかもしれません。
上の記事のコメント欄も、そんな感じになっていました。
僕も、この記事だけ見たら多分そう思っていたと思います。

損失余命とは

つい最近、Kindle Unlimited対象のこの本を見つけて読んでみました。

実は僕も最初は、どんなトンデモ理論が書かれているのかと思って、チラ見だけしてすぐ利用終了するつもりで読んでみました。
ですが、ここに損失余命の説明がしっかりなされていました。

損失余命とは確かに上の記事にもある通り、あるものを摂取したり行動であったりによって縮まる寿命を数値化したものです。
ただしこれは、リスクについてだけを考えるというルールによって算出された数値になります。
つまり、そのものの摂取によって栄養を取ることができ、それで寿命が伸びるなどの分については全く考慮に入れていない数値です。

この事を記事中に書かないというのは、記者が勉強不足か、もしくは何かしらの悪意を持っているかのどちらかと思えてしまいました。

あとこちらの本では、平均寿命は年々伸びてきていてその数値は1日2時間ぐらいで、損失余命が合計2時間ぐらいまでならば寿命の伸びと相殺されてしまうので、寿命を短くするには至らない程度のリスクであると書かれていました。

具体的な説明

ウインナーの1本あたり25秒というのは、加工肉や赤身肉が体調がんの発生を増すリスクがあるという部分に注目したものです。
この数値の条件は、毎日50グラムを余分に、70年間毎日食べたと仮定したものです。

ジャンボフランクフルトは、ウインナーよりも量が多いので、その分リスクも大きくなるというだけです。

ひじきの煮物は、これにヒ素が含まれるという事で、それにより肺がん、皮膚がん、膀胱がんを誘発するリスクを数値にしたものです。
条件は、毎日小鉢1人前を食べるとして、しかも乾燥ひじき10グラムを戻した水も捨てないというものです。
そして、海藻類の中でひじきだけが極端に無機ヒ素の量が多いとの事です。

そう言えば、最近のひじきは鉄分がほとんど含まれないという話を聞いたことがあるでしょうか。
これは、昔は鉄鍋で調理をしていたので、鍋から溶け出した鉄分がひじきに吸着して、それを人間が食べることで鉄分を摂取できていたようです。

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たばこは、1日あたり1箱(20本)を40年間毎日吸い続けると想定した場合の数値です。
たばこに関してだけは、寿命が伸びる要素はないと思っているので、この12分の損失余命がそのままの効果として表れるのかもしれません。

雑誌の記事であっても、それに流されてはいけないと、改めて思いました。

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