僕は今まで、在庫については期末に棚卸しして、それを仕訳に記帳することで貸借対照表を作っていました。
でもこれだと脱税し放題じゃないのかと少し疑問でした。
そしてこれについて調べてみると、商品売買の仕訳で分記法と三分法という2通りの方法があることを知りました。
簿記3級ではこの知識が必要らしいですが、僕の簿記のレベルはこんなものです。
という事で、これについて解説してみます。
三分法について
僕は今までこの方法で仕訳を記帳していたようです。
まず期首の仕訳です。
借方 | 貸方 | ||
期首商品棚卸高 | 30,000 | 棚卸資産 | 30,000 |
仕入時です。
借方 | 貸方 | ||
仕入金額 | 10,000 | 現金 | 10,000 |
売上時です。
借方 | 貸方 | ||
現金 | 15,000 | 売上 | 15,000 |
簡単にするために、現金で仕入れして売上金額も現金で受け取るとしてみました。
そして期末時点で、在庫の棚卸しをします。
借方 | 貸方 | ||
棚卸資産 | 30,000 | 期末商品棚卸高 | 30,000 |
これで、その期の最初に30,000円の在庫を持っていて、仕入れは10,000円、売上は15,000円、あと期末の在庫は30,000円ですよというのが分かります。
逆に言うと、これだけしか分かりません。
もしかしたら、この仕入れの中身は9,990円のゲームソフトと10円のチロルチョコで、15,000円で売れたのはチロルチョコの方で、9,990円のゲームソフトは売ったということにして自分で遊んでいる・・・なんて事も考えられなくはないです。
こういうことならば、個人の買い物9,990円分を事業経費にしたという事と、実際には14,990円あった利益を5,000円として申告することになるので、その分だけの税金を逃れたことになります。
もちろん税務調査が入れば一発でバレるのですが、その詳細が仕訳上に表れてきません。
この方法では、仕訳では棚卸資産の金額が全く動かず、最後に実際に棚卸しした金額を入力することで辻褄を合わせるという感じです。
ちなみに三分法という名前は、仕入れ時に「仕入」、売上時に「売上」、期末に「繰越資産」という3つの勘定科目を使って仕訳をすることに由来しているらしいです。
分記法について
上に挙げた例を、分岐法で仕訳するとどうなるか書いてみます。
まず期首だけは上記と同様の仕訳にしておきます。
借方 | 貸方 | ||
期首商品棚卸高 | 30,000 | 棚卸資産 | 30,000 |
仕入れ時です。
借方 | 貸方 | ||
棚卸資産 | 10,000 | 現金 | 10,000 |
ここで棚卸資産が40,000円になります。
売上時です。
とりあえず普通に10,000円の仕入に対して15,000円で販売したとします。
借方 | 貸方 | ||
現金 | 15,000 | 棚卸資産 | 10,000 |
売却益 | 5,000 |
これで、10,000円分の資産を売って15,000円を得たというのが分かります。
売上時に棚卸資産が10,000円減って30,000円になっているので、期末の棚卸の仕訳は必要ありません。
このように分記法を使えば、在庫の動きが仕訳に表れてきます。
あとおまけで、ゲームソフト分にかかる税金を逃れようとした、あの場合で売上時の仕訳は以下のようになります。
借方 | 貸方 | ||
現金 | 15,000 | 棚卸資産 | 10 |
売却益 | 14,990 |
こうすることで棚卸資産を余計に減らすという事もできないし、利益もはっきり分かるようになります。
棚卸資産が40,000円ある状態でこの仕訳をすれば、その後の棚卸資産は39,990円ですね。
ただ、売上の都度利益を計算しなければならなくなるので七面倒臭いです。
という事で、多くの会社や事業主は三分法を使って仕訳しているようです。
ちなみに分記法という名前は、売上時に原価と利益を分けて仕訳することに由来しているらしいです。
これについて疑問に思った理由
脱税し放題というのもまあ理由なのですが、そこに至る前に在庫を廃棄することを考えました。
売っても送料分すら貰えないというぐらいに価値が下がってしまった商品は、もはや売るよりも捨てた方がマシです。
そして、その時の仕訳はどうなるんだろうと思ったわけです。
分記法ならば在庫を減らすための仕訳が必要になりますが、自分が今採用している三分法だとその仕訳が必要ないらしいです。
必要ないとは言い過ぎですが、仕入金額を減らすだけの仕訳になって、結局この仕訳で在庫の動きは分かりません。
これならば、自分の生活費全てを仕入ということにしてその後廃棄したとすれば、個人的に購入した分だけ利益を減らせて脱税し放題になるじゃないかと思ったわけです。
ただ本当にそれをやると、仕入と売上に対して在庫が減りすぎているというのがB/SとP/Lからバレると思うので、やるべきではありません。
どちらがいいか
というと、お好きな方をどうぞという感じなると思います。
労力だけを考えれば三分法がいいでしょう。
在庫の正確な推移を追いたければ分記法がいいでしょう。
僕は、在庫推移を正確に追えるので来年から分記法にしようかと一瞬思いましたが、調べてみるとかなり面倒そうなのでこれからも三分法で行きます。
特にeBayでの商売だと、為替差損益やeBayとPayPalへの手数料なんかも絡んできて、1つずつ利益計算していたら相当面倒です。
そして事業に関係ないものは経費とせず、在庫を廃棄する場合は証拠をいろいろと揃えるようにします。
ちなみに廃棄については結構厳しいらしく、どのような方法で記帳しようとも証拠はしっかり揃えておくのがよさそうです。
税金についてはいろいろ考えがありますが、僕は納めるべきものはしっかり納めるのが、我が国のインフラや信用力などを使って商売させてもらっている恩返しになると考えています。
ただ必要以上に納めることもないと思うので、自分の生活を優先させるために削れるところは削るというのも考えています。
不正なことはやっていないつもりなので税務調査来るなら来いやーという感じです、対応するのが面倒くさそうではありますが。
まあ僕のところに来てもらっても、所得が小さいので大した税金取れないと思います。