「金持ち父さん 貧乏父さん」については、そこそこ有名な本だと思います。
僕は約10年前にこの本を読みましたが、最近もう一度読み直してみました。
詳しい感想はまた別の機会に書くとして、ここではこの本の中でもネットワークビジネス、もしくはマルチ商法について勧めていることについて、僕が思ったことを書いてみます。
ネットワークビジネスとは
僕がやっていることをネットワークビジネスだと勘違いされることがごく稀にあるのですが、僕がやっているのはインターネットを使ったビジネスであって、ネットワークビジネスではないと説明させてもらっています。
ネットワークビジネスとは、自分が商品を誰かに販売したら、親会社から紹介料みたいな感じでお金がもらえるというものです。
自分が直接紹介した場合だけではなくて、自分が紹介した人がまた誰かに紹介した場合でも、自分にお金が入るというのが普通みたいです。
何代下の分まで自分の収入になるのかは、それぞれのシステムによって違うようです。
僕はこのあたりのシステムについてはあまり詳しくないので、もし補足したいという人がいればコメントからお願いします。
ネットワークビジネスには他にも呼び方がいくつかあって、MLM、マルチレベルマーケティング、マルチ商法などがあります。
マルチと言う言葉には悪いイメージを持つ人が少なくないと思うので、ネットワークビジネスとよく言われています。
(To Heartを思い出す人も、僕を含めて何人かはいると思います(笑))
僕はネットワークビジネスについては、自分に情報が回ってきた時点で参入してもすでに遅すぎるので、そこで参入したとしても利益になることはないと考えています。
そういうスタンスではありますが、できるだけ公平になるように努めて書いてみます。
「金持ち父さん 貧乏父さん」でネットワークビジネスを勧めているのは本当か
ネットワークビジネス実践者は、この本がネットワークビジネスを勧めているというので、他人にもこの本を読むことを勧めるようです。
実際に僕が昔読んだ時も、この本がネットワークビジネスを勧めていると思ったし、ネットワークビジネスを批判する立場の人でも同様に思っている事が多いようです。
どんな風に勧めていたのかというのを再度確認するために、この部分について少し注意しながら読んでみました。
ということで、実際にこれをお勧めしていると思われる部分を引用してみます。
193ページからです。
私は、すでに成人していて、お金をもっと儲けたいと思っている人と話すときにはいつも「人生の先の方まで見とおしてごらんなさい」とアドバイスをする。お金と安心はたしかに重要だ。私もそれは認める。だが、お金を儲けたいと思ったら、ただお金と安心のためにだけ働くのではだめだ。だから私はそういう大人には、新しい技術を学べるような別の仕事もしてみるようにと勧める。中でも私がよく勧めるのが、合法的なマルチ商法を行っている会社で仕事をしてみることだ。セールスの技術を学ぶにはこれほどいい学校はない。この種の会社の中には、成功の足を引っ張る要因の一つである、「失敗と拒否に対する恐怖心」を克服するためのすばらしい訓練プログラムを持っているところが少なくない。長い目で見た場合、教育はお金より価値がある。
この部分について読み解いてみます
1.ネットワークビジネス”会員”になることは勧めていない
ネットワークビジネス会員になって、このビジネスをやるようにとは一切勧めていないように読み取れます。
「会社で仕事をしてみること」を勧めているので、これはつまり社員になってみろという事だと僕は理解しました。
2.お金を得るために勧めているのではない
ネットワークビジネスを勧める人は、それが経済的な自由をもたらしてくれるという理由でしていると思います。
一方、この部分にはそんなことは書いてなくて、「セールスの技術を学ぶ」という目的でお勧めしています。
マルチ商法をやっている会社にある、『「失敗と拒否に対する恐怖心」を克服するためのすばらしい訓練プログラム』を利用する事を勧めているわけです。
この部分からも、会員になるのではなくて社員になる事を勧めているというのがますます正しそうです。
3.利益にならない
最後の、「長い目で見た場合、教育はお金より価値がある。」についてです。
著者のロバート・キヨサキは、会社員として安い給料のために働くよりも、自分でビジネスを持ってお金に働かせろという考えを持っていて、この本でも全編に渡ってそのことを言っています。
そういう意味だと思いますが、会社員として安い給料しかもらえなかったとしても、それに勝るだけの教育を得ることができると言っているように見えました。
まとめ
以上から、この本を持ち出して「ロバート・キヨサキもネットワークビジネスを勧めている」と言うのは、ちょっと違うのではないかと思います。
もし相手が本気でそう思っているのであれば読み込みが足りないし、知っていながらそう言うのであればそもそも信用できる相手ではありません。
万が一ネットワークビジネスに勧誘されてこの本を持ち出されたならば、この点を指摘してやればいいと思います。
そもそも、この本の全体を通して自分がやってきた不動産投資での話が書かれています。
ネットワークビジネスについて書かれているのは、全部で300ページ近くある本の中でこの段落だけでした。
なので、これを読んで「自分も不動産投資を始めよう」と考えるのであれば分かりますが、これを読んで「ネットワークビジネスを始めよう」と考えるのは???です。
まあ、不動産投資を始めるならば銀行から多くのお金を借りなければならないのが普通なので、会社の信用や収入がそれなりになければ始めるのは難しいというのがあるので、それと比べたらネットワークビジネスは簡単に参入できるというのがあります。
この著者にしても、この部分を入れたために、批判を多く受ける事になってしまった気がします。
このパラグラフを入れなければ、本の売上がもっと伸びていたかもしれないと、老婆心ながら思います。
もしかしたら、著者が他にもネットワークビジネスの話を出していたのを僕が見落としているだけかもしれません。
その際は指摘して頂けたら、記事の内容を修正させていただきます。