今は確定申告の時期という事で、今日は利益の計算方法について書いてみます。
粗利益とは
一般的な粗利益とは、売上から原価を引いた差額になります。
例えば10,000円で仕入れたものが、送料含めて13,000円で売れたとします。
このときの粗利益は3,000円です。
粗利益とは本当にざっくりと計算した利益であって、実際にこれが手元に残るわけではありません。
というのも、仮にeBayで販売していたならば落札金額の10%ぐらいを落札手数料として支払わなければならないし、PayPalで決済するにはまた3.9%ほどの手数料を支払わなければなりません。
そして商品を買ってくれた相手に届けるのに送料もかかります。
eBayとPayPalの手数料を合わせて15%ぐらいとしたら、
13,000 × 15% = 1,950円
です。
そして送料が1,000円ぐらいだったとすると、実際に手元に残るのは
3,000 - 1,950円 - 1,000 = 50円
となり、50円が実際の利益になります。
さらにここから、販売のためにPCを使う際の電気代や、家賃の一部を経費としている場合はそれもこの差額から引く必要があります。
そうしてあらゆるものを引いた残りかすが、純利益となります。
我々事業者が事業を継続していくためには、この純利益をプラスにしなければなりません。
ネット物販での粗利益
ちなみに、上で「一般的な粗利益」と書きましたが、ネット物販をやっている人たちの間では販売サイトの手数料と送料までを引いた分を粗利益と言う事が多いです。
なぜならば販売サイトの手数料と送料が結構大きくなりがちなので、これを含めない一般的な粗利益を出しても、その数字があまり意味を成さないからです。
今日の話では、一般的な方の粗利益を考えます。
分記法と三分法
上の説明にも書いた通り、粗利益は以下の計算式で算出します。
粗利益 = 売上 - 原価
これで1取引毎に粗利益を計算して、その合計で年度分の粗利益とする方法もあります。
この方法で仕訳を記帳する方法を分記法と言います。
このやり方だと、1つの売買取引毎に利益を計算しなければならないので、特に取引数が多い人にとってはかなり面倒になります。
そこで、確定申告の決算書でも採用されているもう一つの方法、すなわち三分法というやり方があります。
ざっくりとだけ説明しておくと、1年分をまとめて利益計算するという方法になります。
僕は簿記も会計も勉強したことがなくて全て実践で覚えていっただけなので、この解釈も独自のものになります。
ちなみに分記法、三分法という名前は、それぞれ仕訳の記帳方法になりますが、今回はこれについては詳しくは書きません。
そのうちやるかもしれませんが。
実際の粗利益の計算方法
確定申告では、1年分(当該年度の1月1日から12月31日まで)の合計を決算書にします。
上記の粗利益を計算する式において、1年分の売上の合計は分かると思います。
では原価はどうでしょうか。
原価は、1年間で仕入れた金額ではないというのは分かるかと思います。
売れた商品というのは、当該年度より前に仕入れたものも含まれるだろうし、当該年度に仕入れて売れ残ったものもあるはずだからです。
仮に、1年間の売上が1,000,000円だったとします。
そして、期首(1月1日)時点での在庫が200,000円で、年度中に800,000円仕入れて、期末(12月31日)時点での在庫が300,000円だったとします。
・・・と文章で書いてもイメージしにくいと思うので、イラストで説明します。
こうです。
この時、販売した分の在庫金額はいくらかと言うと、
200,000 + 800,000 - 300,000 = 700,000円
です。
この700,000円が販売した分の原価になります。
一般的な書き方をすると、
原価 = 期首商品棚卸高 + 仕入金額 - 期末商品棚卸高
です。
この700,000円の原価に対して売上が1,000,000円なので、粗利益は
1,000,000 - 700,000 = 300,000円
となります。
最初の粗利益の式を書き直して、
粗利益 = 売上 - (期首商品棚卸高 + 仕入金額 - 期末商品棚卸高)
これが、粗利益を計算する式になります。
これを公式として覚えようとしてもすぐに忘れてしまうと思うので、上のイラストのようなイメージを持っておく方がいいです。
会計での計算は、全て足し算、引き算、掛け算、割り算の四則演算のみで完結します。
関数、行列、ベクトル、微積分などの中学、高校レベルの数学は一切出てこないので、本質さえ分かってしまえば大して難しくありません。
この辺のことは全く分からないから税理士さんに丸投げというのでもいいと思いますが、最低限の知識ぐらいは持っておく事を僕はおすすめします。