不動産賃貸オーナーも頭脳が必要な時代

先日、こんなニュースを見ました。

<貸家着工>首都圏でバブル? 新築増えて空室率上昇

相続税の節税対策でアパートなどの貸家を建てる動きが活発化しているためだが、一方で既存のアパートやマンションの空室率は上昇している。

古い木造アパートのオーナーである自分など、これの煽りをモロに受けているわけです。

不動産調査会社のタス(東京都中央区)によると、首都圏のアパートの空室率は15年夏ころから急上昇しており、神奈川県や千葉県では木造などの空室率が35%を超えている。

これはなかなか厳しいです。
ざっくりと、家賃収入が満室想定から2/3になるという事です。

ところで僕の所有物件は、川崎市中原区にある築25年以上の木造アパートで、おまけに駅から徒歩10分以上かかるという少し不利な条件です。
そして去年の実績で、空室率は約1%ちょっとでした。

去年の末から今年の初めにかけて入れ替えが2件発生したので100%にはなりませんでしたが、そんな中でこの数字はなかなか優秀でしょ(笑)。
そして入れ替え2件のうち1件はすでに埋まって、もう1件は今月末に原状回復工事が完了するというところです。

うちのアパートから徒歩1分程度の範囲に、廃墟となったアパートが1棟と、うちよりも古いアパートが1棟、あとうちよりも新しいアパート、マンションがざっと思いつくだけで5棟はあります。

これを指をくわえて見ているだけだったら、もっと空室率が上がっていたはずです。
事業を行っていると意識している大家さんはまだ多くないので、そんな中物販もやりながらお客様目線を考えるというのを常に行っている自分にはまだまだ勝機があります。

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大家さんにおけるお客様目線とは

お客様とは、直接的には入居者さんですね。

しかし、大家さんが自力で入居者さんを見つけるというのはほとんどなくて、多くの場合は不動産業者に集客を依頼します。
物件の管理を不動産業者にお願いしている場合は、募集もその業者にお願いするのが普通です。
僕も管理業者さんに募集もお願いしています。

さらに、不動産業者1件だけで入居者さんを見つけるというのもやっぱり難しいので、この不動産業者からさらに別の不動産業者に募集情報をばら撒いてもらいます。

大家さんから募集を直接依頼する不動産業者を「元付け業者」、元付け業者から依頼を受けて入居者さんを見つけてくれる業者を「客付け業者」と言います。
という事で、入居者を募集する際にはこんなつながりになります。

大家さん

元付け業者

客付け業者

入居者さん

お客様というと入居者さんだけになりそうですが、もうちょっと範囲を広げて元付け業者、客付け業者、入居者さんの全てを自分にとってのお客様と見なして、それぞれの立場を考えてみるといいでしょう。
これについては、後でもう少し詳しく述べます。

入居率を上げる戦略

入居率を上げるには、長く住んでもらう事と、空室の期間をできるだけ短くする事の2点に尽きます。

長く住んでもらう意味

かつては敷金礼金2ヶ月ずつもらって、しかも退去時には敷金を返さないという、入れ替わりが多ければ多いほど収入が増えるような時代があったようです。
関西の方だとまだこの文化があるようですが、首都圏ではこの方法はすでに通用しません。

まず敷金礼金が高いと募集が減ります。
おまけに敷金を返さないと言えば訴えられたりして、そうなれば大家さんが負けるようです。
僕も、敷金って何の意味があるの?礼金って何のお礼だよ?という考えなので、こういう流れはいいと思っています。

今の時代は、入れ替わりが多くなればなるほど大家の持ち出しが嵩みます。
よって、一度入ってもらったらできるだけ長く住んでもらうというのが戦略の一つです。

空室の期間をできるだけ短くするとは

どんなにいいサービスを提供したとしても、人それぞれ都合があり退去はどうしても発生します。
入居者さんが出ていきたいと言ったら、それを止める権利は誰にもありません。
日本国憲法の第22条にも「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」とあります。

退去されるのはどうしようもないので、次の戦略としてできるだけ早く次の人に入ってもらうのを考えます。
つまり集客です。

一般的に、家賃を下げれば募集は増えます。
しかしそれはあまりにも簡単で単純すぎます。

募集をかけてもなかなか決まらず、二言目には「家賃を下げるしかない」と言ってくる業者さんは、「私には集客力がありません」と言っているようなものなので、そことのお付き合いは考えた方がいいかもしれません。

という事で、まず一点目は集客力のある業者さんとお付き合いをするという点です。

これをどうやって探すかですが、実際に管理をお願いしてみるというのがいいでしょう。
もしくは、一度管理業者をはずして自主管理してみて、募集を全て自分でやってみるというのも手段の一つです。

僕の今の管理業者(元付け業者)は、自分が物件を所有してから4代目になります。
管理業者を変更した理由はその時々でいろいろですが、ようやくいい業者さんに巡り会えたという感じでお付き合いをさせて頂いています。

僕もかつて自主管理をしていた時期があって、募集の際には自分で1件ずつ不動産業者を回ったり電話したりして募集をお願いしたことがありました。
その中で比較的反応がよかった業者さんという事で管理を依頼し、今現在の管理業者さんにお願いしています。

あとは、みんなに喜んでもらう事を考えるのもいい方法です。

大家→元付け業者→客付け業者→入居者

という流れで家賃を下げるというのは、入居者さんにとっては嬉しいことです。
しかし間に入っている業者としては、家賃の何%で手数料が決まるので、家賃を下げると収入が減り嬉しくないというところもあります。

家賃を上げると業者さんは嬉しいけど入居者さんは嬉しくない、家賃を下げると入居者さんは嬉しいけど業者さんは嬉しくないという板挟みの中で、どうすればみんなに喜んでもらえるかというのを額に汗して考えてみてはいかがでしょうか。

大家業とは違いますが

eBayで商品を販売する際に、どうすればバイヤーに喜んでもらえるかというのは少なからず考えると思います。
これをもう一歩踏み込んでみて、どうすればeBayに喜んでもらえるかというのも考えてみるといいですよ。

我々セラーとバイヤーを繋げてくれるのはeBayになるので、eBayに嫌われてしまってはバイヤーとの繋がりも構築できなくなります。
逆にeBayに気に入ってもらえたならば、バイヤーとの繋がりをどんどん作ってもらえるようになり、ひいては売上の増加につながります。

こんな感じで、大家さんとして得た知識や経験をeBayでの商売に活かしたり、その逆もあったりと、いい感じでシナジー効果が得られています。

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