ebay輸出での会計処理4 PayPalに残高がある状態でさらに入金する場合

昨日の続きです。

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売買等の例と前回の復習

例をもう一度おさらいしながら、前回までやったところの仕訳も書いていきます。

2015年4月1日
国内のお店から、商品Aを50,000円で、商品Bを60,000円でそれぞれ仕入れ

借方貸方
仕入金額50,000預金50,000
仕入金額60,000預金60,000

2015年5月1日
ebayで商品Aが売れた代金450.00ドルをPayPalに入金
(この日のレートは1ドル=120円なので、450.00×120=54,000円)
(この時点でのPayPal残高450.00ドル)

借方貸方
外貨預金54,000売上54,000

2015年6月1日
PayPalからebayに手数料45.00ドルを支払い
(この日のレートは1ドル=121円なので、45.00×121=5,445円)
(この時点でのPayPal残高405.00ドル)

借方貸方
支払手数料5,445外貨預金5,400
為替差益45

2015年7月1日
PayPalから100.00ドルを日本の銀行口座へ移動
(この日のレートは1ドル122円なので、100.00×122=12,200円)
(この時点でのPayPal残高305.00ドル)

借方貸方
預金12,200外貨預金12,000
為替差益200

2015年12月31日
期末
(この日のレートは1ドル123円)
(この時点でのPayPal残高305.00ドル)

(仕訳なし)

2016年1月1日
期初
(この日のレートは1ドル123円)
(この時点でのPayPal残高305.00ドル)

(仕訳なし)

2016年6月1日
ebayで商品Bが売れた代金500.00ドルをPayPalに入金
(この日のレートは1ドル=119円なので、500.00×119=59,500円)
(この時点でのPayPal残高805.00ドル)

2016年7月1日
PayPalからebayに手数料50.00ドルを支払い
(この日のレートは1ドル=117円なので、50.00×117=5,850円)
(この時点でのPayPal残高755.00ドル)

2016年8月1日
PayPalから150.00ドルを日本の銀行口座へ移動
(この日のレートは1ドル=118円なので、150.00×118=17,700円)
(この時点でのPayPal残高605.00ドル)

2016年12月31日
期末
(この日のレートは1ドル=116円)
(この時点でのPayPal残高605.00ドル)

PayPal残高がある状態でさらに入金するときの仕訳

今回は2016年6月1日の仕訳です。

今までは、最初に決まった濃度で作った食塩水の中から必要な分をコップで掬い出していただけです。
今回は、その食塩水に別の濃度の食塩水を混ぜる事になるので、これまた混乱しそうです。

というわけで考えてみます。
ちなみにこの直前のPayPalの状態は以下のとおりです。

ドル建て残高:305.00
簿価残高:36,600円
簿価のレート:1ドル=120円

今回、500.00ドル(この日のレートで59,500円)が入金されます。
ということで、ドル建て残高は305.00+500.00=805.00ドルになります。
簿価残高は36,600+59,500=96,100円になります。

ということで、仕訳は以下のようになります。

借方貸方
外貨預金59,500売上59,500

簡単に終わってしまいました。

・・・とここで終わらせてはいけません。
今のPayPalの中には、1ドル=120円の時に入金したお金と1ドル=119円の時に入金したお金が混ざっています。
なのでこれ以降、今まで使っていた簿価のレート1ドル=120円を使って計算していくと、ズレが生じることになります。

ということで、簿価のレートを再計算します。
単純に、(簿価の残高÷ドル建ての残高)が新しいレートになります。

これで計算すると、96,100÷805.00=119.378881987・・・
となってしまいました。
端数が出てしまったので、これ以降は計算しても場合によって1円程度のズレが出るかもしれません。

簿価のレートの計算タイミング

これ、入金がある度に簿価のレートを計算するのも面倒です。
簿価のレートが必要になるのは、PayPalから出金する際の為替差損益を計算する時なので、この時に計算するのがいいのかもしれません。

2015年6月1日で為替差損益を計算する場合、以下の値を使うようにします。

・支払い前のPayPal残高(ドル)
・支払い前の簿価残高
・その日のレート
・出金額(ドル)

これで、{出金額(ドル)×(その日のレート-(支払い前の簿価残高/支払い前のPayPal残高(ドル)))}を計算して為替差損益を求めます。

実際に計算してみると、以下のようになります。

・支払い前のPayPal残高(ドル):450.00
・支払い前の簿価残高:54,000
・その日のレート:1ドル=121円
・出金額(ドル):45.00

45.00×(121-(54,000/450.00))=45

プラスの値なので、45円の為替差益となります。

同様に、2015年7月1日は以下のようになります。

・支払い前のPayPal残高(ドル):405.00
・支払い前の簿価残高:48,600
・その日のレート:1ドル=122円
・出金額(ドル):100.00

100.00×(122-(48,600/405.00))=200

プラスの値なので、200円の為替差益になります。

こんな感じでどうでしょうか。

それ以降については、次回計算してみます。

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