今回の選挙、マジで入れたい人がいなくて困っています。どの人もお花畑的な公約を掲げてはいるのですが、それを具体的にどうやって実現するのかという部分に全く触れていない。
消去法だと自民党になりそうですが、正直自民党支持ってわけでもないし。こうなったら、放送法を変えるだけで公約を実現できそうなN国党に入れるかとか考えてしまいます。NHKがスクランブルになったところで生活が変わるわけではないけど。あと安楽死については死の床についたら考えるのかもしれないけど、差し迫ってはどうでもいいです。
それで誰に入れたものかと選挙公報を見ていたところ、「特定枠」という何やらよく分からない言葉が書かれていまして。調べてみたけどやっぱり分かりにくい。
ということで、選挙制度についてもう一度おさらいしてみようと思った次第です。
今回の選挙について
以下、小学生にも分かるように説明してみます。知ってるよって人は読み飛ばしてください。
今回の選挙は第25回参議院議員通常選挙です。
参議院議員の任期は6年ですが、3年毎に議席の半分ずつを選挙で選び直すという方式を取っています。今回は、6年前の第23回参議院議員通常選挙で当選した121議席に今回3議席増加された124議席の議員を選ぶ選挙になります。
3年前の第24回参議院議員通常選挙で選出された121名の議員の議席は今回の選挙ではそのまま変わりません。
この、今回の選挙で議員を選び直す議席を改選議席、3年前の選挙で選ばれて今回の選挙では動かない議席を非改選議席とも言います。非改選121、改選124の、合計245が参議院の議席数という事になります。
そして投票では、投票用紙に自分の選挙区から出ている候補者名を一人記入する方式と、政党名または名簿の中から候補者名を一人記入する方式になります。
前者を小選挙区制または中選挙区制、後者を非拘束式比例代表制と言います。
今回の選挙は、選挙区74議席、比例代表50議席の議員を選出することになります。
選挙区制について
今回は、基本的に各都道府県を1つの選挙区として、各選挙区で立候補した候補者を各都道府県の有権者数によって1人または2人以上選出することになります。
改選の議席が1人の選挙区が小選挙区、2人以上の選挙区が中選挙区となります。
ただし、都道府県が1つの選挙区となっていないところがあります。具体的には鳥取と島根が1つの選挙区、徳島と高知が1つの選挙区となっています。
ちなみに衆議院議員選挙は、都道府県をさらに細かく分割して(東京3区とか神奈川2区とか)、各選挙区で1人が当選する小選挙区制になります。
もう一つ、過去には大選挙区制というのもあったようです。これは全国を1つの選挙区として74議席を選出するという方式になります。ただこれやろうと思ったら、全候補者が北海道から沖縄まで回って選挙運動しなければならなくなり、現実問題として難しいです。
ちなみに、クラス全員の投票で学級委員を男女1人ずつ選ぶとか、あるいは全労働組合員の投票で役員を選ぶとかは、大選挙区制です。
比例代表制について
基本的には政党に対して投票を行い、各政党の得票率によって名簿の上から順番に当選者が決まる方式です。
衆議院議員選挙では、名簿の順位は各政党が決めて有権者には変えることのできない拘束名簿式になります。
一方参議院議員選挙では、投票用紙に政党または候補者名を記入することができて、この候補者名に投票された数の多い順に名簿の順位が決まります。
なので比例代表で候補者名を書くというのは、その候補者に1票を投じるような感覚になるかもしれませんが、その政党に1票を投じながらその候補者は名簿の上位に行ってほしいという願いを込めて投票するというのが実態です。
一票の格差問題
これニュースでよく聞きます。そして今回の選挙後もまたこの話題が出てくるだろうと思います。
極端な例ですが、有権者数1万人のA選挙区と、有権者数3人のB選挙区があったとします。
A選挙区の山田さんは4000票で落選、B選挙区の佐藤さんは2票で当選、という事が起こり得ます。
このとき山田さんから佐藤さんを見たら、こっちは4000票も取ってるのに落選して、向こうはたった2票で当選してズルいと思うわけです。
これまた難しい問題で、山田さんは有権者の40%の信任しか得られなかったから落選して、佐藤さんは66%の信任を得られたから当選したと見るならば、特に不公平というわけでもないです。
これについては、マイケル・サンデル教授の本でも読んでみると、何かが見えてくるかもしれません。ちなみに僕は今これを読んでいるところです。
今回、この不公平感をなくそうとして、人口の少ない鳥取県と島根県、徳島県と高知県を合区としてそれぞれ1つの選挙区にした、ということです。
特定枠とは何ぞ?
今回の比例代表の名簿を見ると、特定枠というのがあります。自民党2名、労働者党1名、れいわ新選組2名の各候補者が、この特定枠となっています。
従来、鳥取県と島根県でそれぞれ1人ずつ候補者を立てられたのに、今回合区となったことで同じ政党で争うことになるために立候補できなくなったという人への救済措置、という建前のようです。
この特定枠の人たちは、無条件で名簿の最上位に来ることになります。ある政党で特定枠2名だったら、この政党での比例代表で一番多く名前を書かれた候補者の名簿順は3位になります。
自民党で比例代表の議席数1以下なんてことは現実的にあり得ないので、自民党の特定枠に入っている2名はすでにほぼ100%当選確定となります。
そしてこの特定枠に限っては、名簿順はすでに決まっているので拘束名簿式となります。今回の選挙では非拘束名簿式と拘束名簿式が混在する、かなり複雑なものになっています。
そしてこの特定枠にもいろいろな問題があって、特定枠の議員個人での選挙運動はやったらダメなので名前を売ることができないとか。もし6年後にやっぱり特定枠なくすという事になったら、今回名前を売れなかった特定枠の人たちは圧倒的に不利になってしまうとか。
とまあいろいろまとめてみましたが、分かりにくい部分もあったかもしれません。まとめている自分でさえも、複雑怪奇な選挙制度だと思います。
そしてこれだけまとめたところで、どの人に投票するか決まったわけでもないです。
何にしても明日は、どこかしら誰かしらには投票しに行こうと思います。