セラーとして送料の表示をどうすべきか

世間ではAKB総選挙なるものをやっているらしいです。
CDを買うと投票券が入っていて、それを使って投票できるようです。

自分のお気に入りメンバーを上位に行かせるために、1人でCDを数千枚単位で買う人もいるとのことで、CDの山を写真に撮ってネットにアップされているのを見かけました。

しかし、この不平等なシステムを選挙と言っていいのかと思いました。

選挙というのは普通1人1票です。

一方AKBの総選挙では、CDの購入数に応じて大量の票を持つ事ができるようになります。
まさに「金に物を言わせる」というやつです。

この不平等なシステムは一般には存在するのかと思うかもしれませんが、かなり似たようなシステムが存在します。
それは株主総会です。

株主総会では、自分の保有する株式の数によって議決権の量が決まります。
この不平等さは当たり前のことで、会社の経営方針を決めるのに1億円出資した人の意見と1万円出資した人の意見を同等に取り扱う方がむしろ不自然です。

AKB総選挙においても、CD購入金額という出資(というよりはお布施?(笑))によって議決権の量が変わってきます。

ということで、人を選ぶという点では選挙なのかもしれませんが、実のところは「AKB株主総会」とでも言う方が近いのではないかと、ふと思いました。

ただ、「AKB株主総会」と言うよりは「AKB総選挙」と言う方が、一般には分かりやすくてよかったのでしょう。
しかも選挙と言う事でCDを大量購入した人も、「出資」ではなくて「応援」だと解釈するという事かもしれません。

これのおかげでオリコンなどCD売上数ランキングがまったくなってしまったというのはありますが、マーケティング的には上手くやっていると感心しているところです。
手段が綺麗か汚いかは置いておいてです(笑)。

スポンサーリンク

多くの人が送料の支払いに抵抗を感じている・・・らしい

昨日、Yahoo!ニュースでこのような話が出ていました。

通販・ECの送料支払いに「抵抗感がある」は8割

インターネットで買い物をした際に、送料の支払いに抵抗を感じるという人が8割近くいるという話です。

かつてのAmazonの”おかげ”というか”せい”というかで、ネットでの買い物で送料無料が当たり前となっているのかもしれません。
あ、僕は最近ではほとんど使わなくなりましたが、ヨドバシ・ドット・コムも送料無料でした。
というか当日配送サービスは、Amazonよりもむしろヨドバシの方が先だった気がします。

去年からAmazonも2,000円未満の注文については送料を取るようになりましたが、プライム会員については今でも送料無料です。
そして僕はプライム会員になっているので、少なくともAmazonが発送する商品については今でも送料無料というイメージのままできています。

まあ僕がプライム会員になったというのも、送料がかかるようになったタイミングだったのですが。
でも実際になってみると送料以外の部分、特にプライムビデオで年会費の元を取るぐらいのサービス利用をしています。

Amazon以外の、ヤフオクやeBay、もしくはYahoo!ショッピングや楽天市場などでは、基本的に送料別になっていて、僕も特に送料支払に抵抗はありません。
ただ、金額の合計を計算する面倒臭さを感じるというのはありますが。

販売者としてどうすべきか

普段のYahoo!ニュースのコメント欄は、僕から見てズレてるなあと思うことが決して少なくないのですが、このニュースのコメント欄はなかなか良識のある方が多いようでした。

他人の時間と労力を使って商品を配送してもらっているので、それについて対価を支払うのは当然のことです。

だから商品を自宅まで届けてほしければ送料を支払うべきとして、送料別で出品をするのも一つの方針です。

しかし、どちらがの話の筋が通っているかに関わらず、消費者が抵抗を感じていると言っている以上、消費者の意見に従う方が戦略的には正しいでしょう。

いろいろな理屈をこねくり回したところで、結局は市場の動きが正解であって、我々はそれに従うしかありません。

例えば、商品と送料がそれぞれ下記のとおりとします。

商品価格:10ドル
送料:第1地帯(アジア)10ドル、第2地帯(アメリカ、ヨーロッパ)12ドル、第3地帯(南米、アフリカ)15ドル

これを商品価格と送料を別にして出品すると、アメリカのバイヤーさんは合計22ドル、ブラジルのバイヤーさんは合計25ドル支払うことになります。

一方、送料無料(という名目の実質送料込み)とするならば、絶対に損をしないようにするならば25ドルで出品することになります。

例えばアメリカのバイヤーさんにとって、

商品10ドル+送料12ドル

という表示よりも、

商品25ドル(送料無料)

という表示の方が買いやすいというのはあるかもしれません。

上下の合計をそれぞれ計算してみると明らかに上の方が安い事は明らかです。

しかし人がマウスで購入ボタンをクリックする際には、理論よりも感情の方が優先されることが少なくありません。
そのあたりを考えながら、価格設定をするといいでしょう。

僕の対応

僕は、多くの出品で送料別としています。

理由はいくつかありますが、送料を一律として商品価格に上乗せすると、もらい過ぎにになってしまう国と足らない国が出てきてしまうからです。
ただこの親切心も、消費者にとっては余計なお世話なのかもしれません。

あともう一つは、送料を別にしておくと、まとめて購入してくれた際に送料を値引きするのがやりやすくなるというのがあります。

商品10ドル+送料12ドル

という商品を3個買ってもらえた場合は、30ドル×3=商品30ドル+それにかかる送料を計算する事で合計の送料が分かります。

商品22ドル(送料無料)

という商品を3個買ってもらえた場合は、22ドル×3=商品66ドル

を支払って貰えることになります。

セラーとしては儲かってウハウハですが、セラーとしての良心がそれを許すか許さないかです。

送料を過剰に取りたくないというのであれば、単純に複数個買ってくれた場合には値引きすると表示しておけばいいだけです。
ただその場合は自分で、商品22ドル中でどの部分が送料かというのを把握しておかなければなりません。

僕はこれが面倒というのもあり、またバイヤーさんに対してもどの部分が送料かというのをはっきりと明示しておきたいために、送料別としているというのもあります。

ただ前にも書いたとおり、市場の反応が正解です。
なので僕も、それに従って柔軟に対応していくつもりです。

ただその際も、ニュースを鵜呑みにして変更するのではなくて、実際に自分でいろいろと試してみてから対応することになるでしょう。

スポンサーリンク

フォローする